雲の切れ間に~大犬と八ヶ岳 (SEQUATORと雲について)

2019年2月2日 20時48分頃 
NIKON D810A AF-S 20mm F1.8G (F2.8) ISO 3200 露出10秒
星野部分は6枚をSEQUATORで合成し、前景はPHOTOSHOPで加算平均合成。
Software: Adobe Lightroom Classic & Photoshop

赤岳鉱泉にテント泊し、夕方から赤岩の頭に向けて登ったときに撮った星景写真です。稜線上は風の音がしていたので、赤岩の頭のすぐ下のルート上に赤岳方面の視界が開けたこの地点から撮影しました。この日は日中快晴でしたが、日没とともに雲が湧いてくる天気でした。1時間ほどかけてわずか3カットだけ撮りましたが、雲が増えて星の位置も変わってきたのでこれを最後に下山しました。大犬(シリウス)は八ヶ岳にとても似合うと思いました。

私は星景撮影でSEQUATORというソフトをよく使います。星像を固定しながら複数枚のファイルを重ね(スタックし)、高感度撮影に特有なノイズを減らす一方、地上風景もぶらさないという便利なソフトです。部分的に星像がうまく重ならないで線になってしまうことも時にありますが、フリーソフトなので文句を言ったら罰が当たりますね(笑)。 このカットでは、さすがに手前の木はうまく合成できないだろうと思いましたが、拡大しても問題ありませんでした。

さて、この便利ソフトですが、雲が多い時は少し悩みます。SEQUATORによって星と地上部は固定されても、雲だけは(上の写真では60秒分)流れて写るからです。不自然と思い始めれば、気になります。日周運動を長秒で撮っても雲はやはり流れて写りますが、星も線になるので不自然に感じません。

ちなみに、上の写真の星野部分を一枚撮りに差し替えたのが次の写真です。雲の形が10秒分だけ写っているため、目で見た感じに近いのはこちらの方。ISO3200くらいなら、ノイズ除去ソフトを使えばそんなにざらざらしていません。(もちろん、拡大して見ればSEQUATORを使った方がきれいですが。) どっちがいいのか、試行錯誤やケース・バイ・ケースで決めることになると思います。