平成最後の日に自分史的な星景写真

4月28日から29日、平成最後の星撮り登山に行ってきました。平成最後のポストはこれで決まり、と思っていたのですが、里に帰ってテレビが「行く年くる年」状態になっているのに引っ張られ、僕もなんとなく30年を振り返ってしまいました。星と山に関連するものに限定してブログにあげさせていただきます。なお、文中の年代は全部西暦表示です(笑)。

僕は1960年に中国地方の山間部に生まれました。小学校の時、父に望遠鏡を買ってもらって「天キチ」少年になりました。注文から半年近く、毎日学校から家へ帰るたびに「今日は望遠鏡、来とる?」と尋ねていたのを覚えています。AMAZONで当日か翌日に何でも手に入る現在では考えられないことですよね。でも、だから僕にとってこの望遠鏡(アストロ光学、84㎜ニュートン反射式)は宝物になりました。こうしたこともあり、僕にとって星は故郷や親とつながっている部分があります。この写真は2014年5月の小さい月の晩、故郷の自宅の裏の堤防あたりから小さな町に大犬座が沈んでいくところを撮ったもの。ブログの自己紹介写真にも使っています。平成は1997年に父が、2016年に母が逝きました。故郷(ふるさと)は遠くなりにけり、です。

中学、高校時代はこれまた親に買ってもらった名機ペンタックスSP(一眼レフカメラ)で星野写真を撮っていました。「手動ガイド」なんて、今どき星を撮っている人にはわからないでしょうね。その後、大学から東京へ出てきた僕は星のことをすっかり忘れ去ってしまいます。ところが技術が進み、デジタル一眼カメラなるものが登場しました。僕も2005年にペンタックスのデジ一を購入、風景写真を趣味にするようになります。風景写真の延長で星も撮るようになり、2009年末にニコンのフルサイズ一眼レフを買いました。風景と星野の組み合わせで「星景」写真というジャンルができたのもこの頃でしょうか? 段々山奥に入るようになり、2015年から登山(トレッキング)を始めました。上の写真は、同年3月に四阿山山頂手前で初めてテントを張って撮った時のものです。

大学時代は天文同好会に入っていました。と言っても、当時の僕は大都会に呑みこまれ、麻雀の面子探しとコンパ(飲み会)が楽しみでサークル部屋に通っていました。でも、そこで今の奥方と出会ったので天文同好会には足を向けられません(笑)。平成の時代は、家族と一緒の海外勤務、離職→転職、そして仕事上のクライマックスなど、仕事の面でもいろいろありました。そして2010年5月、銀婚式を迎えます。言い訳になりますが、当時は掛け値なしに生涯で一番忙しい時期でした。奥様から「今年、銀婚式だったんだよ」と言われたのが3か月後! どうやって取り返そう? 仕事が暇になった頃にやっと得た結論は、「4年遅れの銀婚式で憧れのマゼラン雲を見に行こう!」というもの。で、2014年の夏にニュージーランドに行きました。写真はテカポ湖畔の「羊飼いの教会」をバックにした定番中の定番です。

以上、私の自分史的な平成振り返りにお付き合いいただき、ありがとうございました。ニュージーランドの星景をもう1枚紹介し、平成最後のポストのトリとします。プカキ湖畔から撮った「憧れの星空~マゼラン雲と南天銀河」です。人生最高の星空でした。

射手から白鳥~磐梯山銅沼より

2019年4月13日 2時14分頃
カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8
絞りF4 露出15秒 ISO 6400
星野用に「フィルター(Lee3)有り5枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し6枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、その後、Photoshop & Lightroomで処理。

先週末に磐梯山銅沼で撮った写真の続きです。射手座から夏の大三角までの横たわる銀河をまとめてみました。右端の明るい星は木星です。

下の写真は同じような構図を魚眼でとらえたものです。ピントが少し甘かったようで反省しています。

2019年4月13日1時52分頃      カメラ:NIKON D810A レンズ:Sigma 魚眼 15mm F2.8 絞りF3.5 露出20秒 ISO5000 9枚(フィルターなし)をSEQUATORで合成した後、Photoshop & Lightroomで現像処理。

 

 

磐梯山火口壁を登る蠍と銀河(銅沼から)

2019年4月13日 1時11分頃  カメラ:NIKON D810A レンズ:AF-S 35mm F1.8G 絞りF2.5 露出5秒 ISO5000  *星野用に「フィルター(Lee3)有り10枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し11枚」をそれぞれSEQUATORでスタックしたもの、前景用にフィルター無し11枚をPhotoshopで加算平均したものをPhotoshop&Lightroomで現像処理。

先週金曜日、半休をとって夕方自宅を出発、磐梯山へ向かいました。夜10時頃から裏磐梯スキー場のゲレンデを1時間強ほど登り、銅沼(あかぬま)から星景写真を撮ることができました。

磐梯山火口壁は大迫力。さそり座、木星、夏の銀河が昇ってきたのが櫛ヶ峰(左側の山)と天狗岩(右側の尖がり)の間で、現像してみたら「登って」いくように見えたのでこのタイトルにしてみました。前日(?)降雪したおかげで、今季のこの時期にしては山にも雪が着いてくれていました。なお、火口壁がそそり立っているため、南中しても蠍の尻尾までは見えません。

僕の最近の星撮りは空の状態が今一つだったのですが、この夜は雲一つなく綺麗に晴れてくれました。土曜の夜は雲が出そうだと思って金曜日に会社を早退したのが吉と出た格好です。何カットか撮れたので、追々ご紹介したいと思っています。

下の写真は翌朝(正確には当日の朝)、銅沼から見た櫛ヶ峰と火口壁です。

4月13日6時48分頃。X-E3/XC16-50㎜で撮影した3枚からLightroomでパノラマ合成。

磐梯山の山頂(剣ヶ峰)は画面右端の外側の奥の方になります。銅沼からは火口壁に遮られて見えません。次の写真の通り、下のスキー場からだと、火口壁(木の上)の向こうに巨大で真っ白な剣ヶ峰が顔を覗かせていました。

X-E3/XC16‐50㎜(50㎜) 大幅トリミングしたので解像度が低下しています。

最後に、火口壁に上がって望む剣ヶ峰はこのように見えます。右側の黒っぽい尖がりが天狗岩、左のどっしりした頂が磐梯山山頂になります。星もよかったけど、山もよかったです。

13時24分 X-E3/XC16-50㎜(16㎜ F10)

巻機山~7合目まで

2019年4月6日 12時31分頃 富士フィルム X-E3 XC16‐50㎜(16㎜) 4枚をPhotoshopでパノラマ合成してトリミング。

昨日、巻機山に登ってきました。と言っても、7合目の物見平というところまで。ここでタイムアウトとなって引き返しました。夜から天気が崩れる予報だったので、星撮りはあきらめてのスノートレッキングです。

写真は物見平付近から見た、前巻機山(ニセ巻機山とも言うらしいが、そりゃ可哀そうでしょ?)~巻機山~割引岳の稜線です。でかい山でした。

新潟の湿雪に残雪期、さらに一昨日雪が降ったことが重なり、雪が重かったです。にもかかわらず、その前の時期のヤマレコを読んでワカン(+アイゼン)で行けると思い、スノーシューを持って行きませんでした。ワカンではズボズホ沈み、体力の消耗が激しかったです。大半はBCの方で、他はスノーシュー2人、お一人だけ、ツボ足の猛者がいらっしゃいました。馬力一杯のツボ足の方に抜かれながら、「道具じゃない、すべては体力だ」と激しく納得したものです。

物見平から振り返ると、南側には曇りがちながら、朝日岳をはじめ、雄大な山々が見守ってくれていました。東南から南方面をパノラマにしたのが下の写真です。山頂はおろか、前巻機山にも行けませんでしたが、「来てよかった」と思いながらの下山しました。

2019年4月6日13時00分頃 富士フィルム X-E3 XC16‐50㎜ (26㎜) Photoshopにてパノラマ合成。