安達太良山火口壁と雲間の星

2019年6月1日 22時56分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8(F3.2) 露出13秒 ISO 3200  星野は1枚撮り、地上は7枚を加算平均してPhotoshopで合成。

関東は梅雨入りして今日も雨です。天気が悪いだけでなく、諸事情であと1か月ちょっとは星撮りできないため、二週間前の安達太良山(鉄山)星景をもう一度。 “安達太良山火口壁と雲間の星” の続きを読む

雲間の夏の大三角~鉄山避難小屋を昇る

2019年6月1日22時25分頃    カメラ:NIKON D810A レンズ:Nikkor AF-S 20mm F1.8G(F2.8) 露出10秒 ISO3200

前回と同じく、鉄山避難小屋に泊まったときの星景です。雲間の撮影で星景写真としては今一つですが、アップします。3枚を加算平均した前景と1枚撮りの星野をPhotoshopで合成しています。

さて、このブログでは俗世のことは書かないつもりなんですが、今日は例外。イーロン・マスク氏のスターリンク(Starlink)構想について少し書かせてください。

スターリンクとは、衛星を2020年代半ばまでに1万2千基(!)打ち上げ、インターネット等の利便性を高める計画です。先月、最初の衛星60基が打ち上げられたので、構想と言うより、もう現実になりつつあると言ってよいでしょう。

最初は、ふ~ん、と思ってただけでした。でも、衛星の数が半端ではなく、軌道も低いため、衛星が太陽光を反射して星座の形すらわからなくなりかねない、と知って大ショック。ドヨーンとした重い気持ちが続いています。

このStarlink構想、世の中では、「便利になるからいいことだ」という受け止めの方が多いと思います。僕にしても、山へ登って携帯がどこでもつながれば、遭難のリスクも減るに違いありません。メリットは確かにあります。でも、人類が太古から星を見て感じていた神秘に触れることがこれからできなくなる、というのはどうなんでしょう? 何か、人類はおそろしい領域に足を踏み入れているんかないか、という気すらしてきます。

イーロン・マスクを止める手立てはないし、万一、彼がやめてもほかの人がやるでしょう。でも、僕はStarlink計画には反対です。便利さのために星の美しさに触れる機会を奪われたくありません。単なる趣味人のわがままじゃないか、と言う声もあるでしょうが、僕ら星に興味を持つ者だけでなく、人類全体がStarlinkによって大切なものを失ってしまう、と思います。

衛星が光をまったく反射しなくなる技術が開発され、イーロン・マスクがその分野に予算をかけようと思わない限り、星景写真を撮る機会は近い将来、大幅に減ってしまうことでしょう。そんな日が来ることを畏れつつ、このブログを続けていきます。(なお、この件については、今後何か特別の進展がない限り、もう書きません。次回からはまた、純粋に星景写真と山の写真を載せていきたいと思います。)

雲間の春の星~鉄山避難小屋

2019年6月1日23時39分頃  カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8 (F3.2) 露出15秒 ISO 3200

先週末、福島県安達太良山山系の鉄山へ行ってきました。仕事や諸々の事情で7月末まで星撮りはできなさそう。そこで、快晴が望めないことは承知のうえ、「雲間の星でも撮れたらいい」と自分に言い聞かせての撮影行でした。

野地温泉から鬼面山、箕輪山を越えて鉄山避難小屋へ到着したのが18時過ぎ。先客が3名おられました。予想どおり雲が多かったですが、22時頃から2時間ほど撮影しました。

この写真は最後に撮ったカット。鉄山避難小屋と北斗七星、アークトゥルスを記念写真のつもりで撮りました。左手奥に磐梯山のシルエットが写っています。

雲が多かったのでいつものSEUATORは使わず、Nik CollectionのDfineでノイズを除去。前景は6枚を加算平均してノイズ除去とディテールの両立を図りました。なお、ディフュージョン・フィルターは使っていませんが、雲が天然フィルターとなって星は滲んでくれました。

鉄山避難小屋からだと、鉄山に遮られて安達太良山は見えません。そこで翌朝(日曜の朝)、鉄山まで足を延ばして安達太良山を見てきました。安達太良山はこの角度から見るのが僕は一番好きですね。