3月9日から10日にかけて会津駒ヶ岳へ行ってきました。
燧ケ岳・至仏山・平ヶ岳をバックにした、雪原と冬のダイヤモンドと火星のコラボになります。この日は夕方から雲が出てご覧のような天気でしたが、おかげてフィルター無しで星が滲んでくれました。
「行く冬を惜しむ」というタイトルは、左上に獅子座の大鎌が入っていることもあって思いつきました。今年は雪が少ないまま、冬山シーズンが終わりそうですね。続きもアップしたいのですが、週末は実家へ帰ったりするため、来週以降になりそうです。
星景写真と山の写真を載せた不定期日記です
3月9日から10日にかけて会津駒ヶ岳へ行ってきました。
燧ケ岳・至仏山・平ヶ岳をバックにした、雪原と冬のダイヤモンドと火星のコラボになります。この日は夕方から雲が出てご覧のような天気でしたが、おかげてフィルター無しで星が滲んでくれました。
「行く冬を惜しむ」というタイトルは、左上に獅子座の大鎌が入っていることもあって思いつきました。今年は雪が少ないまま、冬山シーズンが終わりそうですね。続きもアップしたいのですが、週末は実家へ帰ったりするため、来週以降になりそうです。
3月2日夜の続きです。
赤面山山頂の先から那須連峰と冬の星座を撮ったあと、後ろ(東)の空を振り返ると北斗七星と牛飼い座のアークトゥルスが昇ってきていました。「春遠からじ」を感じ、赤面山頂、白河の街明かりと共に撮ったショットです。
今回も3月2日に赤面山で撮影した星景写真を紹介します。
那須岳(茶臼岳)、朝日岳を前景にした冬の大三角です。左下方向は那須の街灯りで明るいですが、ほぼ思っていたイメージで撮ることができました。個人的にはかなり満足感の高い1枚となりました。
※ 過去に記した撮影データについて補足説明することがあります。私はソフトフィルター有りと無しとで複数枚撮影し、それぞれをSEQUATORでスタックしてからPHOTOSHOPで合成することが多いです。そのプロセスを例えば、「フィルター有り・無しで7枚を撮影してそれぞれSEQUATORで処理し・・・」と記載していました。でも、最近気づいたのですが、これは正確ではありません。実際には〈フィルター有り6枚とフィルター無し1枚〉と〈フィルター無し7枚〉の2セットをそれぞれSEQUATORで処理しています。(その際、PHOTOSHOPで合成する際の位置合わせのため、共通するフィルター無しの1枚を基準画像にします。) 申し訳ありませんが、過去の撮影データについては、この説明を以って読み替えて頂きますようお願いします。
【春よ、来い~冬のダイヤモンドが那須のお山に傾く】
今週末も出かけていたので、3月2日に赤面山から撮った星景の現像が進んでいませんでした。那須連峰の主脈(那須岳、朝日岳、三本槍岳)と冬の星座を絡めた3ショットをお届けします。
1枚目は赤面山の山頂から撮った那須連峰主脈と冬のダイヤモンドです。題名ですが、この写真を撮っているとき、夜なのに鳥のさえずりが風に乗って聞こえてきました。雪景色ですが、もう春が近いんだなあ、と思いながら撮ったショットです。
【那須のお山を駆ける冬の星座たち】
那須の山を画面にもっと入れたくて、赤面山の山頂から前岳側に少し下ったところから撮りました。山頂以上に強風(10メートル超?)で、PCで見るまでは「ぶれているんじゃないか」と心配しながらの撮影でした。
【カシオペアから大犬まで~赤面山にて】
赤面山の山頂越しに魚眼で撮ったショットです。ここなら風は弱かったので、最初はここから撮りました。山頂は風の通り道なんでしょうね。この写真はソフトフィルター無しで撮り、Photoshopで輝星に滲みを加えたものです。魚眼なら不自然さがどうにか許容範囲でしょうか? ソフトフィルターをレンズの後ろに付けた方が星はきれいに写りますが、前景が雪山だとフィルター無しの方が好みです。
那須三本槍岳の東側にある赤面山(あかづらやま)で星を撮ってきました。
ギリシャ神話では、オリオンはプレアデス姉妹を追いかけまわしていたそうです。間にいるヒアデスはプレアデスの異母姉妹。オリオンに「やめなさい」と言っているんでしょうか? 今は軍神アレス=火星(写真では赤面山山頂標識の上に赤く輝いています)もオリオンに「こら!」と言っているのかもしれません。
おうし座の一等星アルデバランはヒアデス星団の一部だとずっと思っていました。でも、地球から見たら偶然重なっているだけで星団とは無関係だそうです。アルデバランは富と幸福の前兆だとか。今度は何か願いをかけてみましょうかね?
2月17日に蓼科山に登ってきました。前回、赤岩の頭へ星景を撮りに行った時に踝を痛めたため、短めのコースを選んだ次第です。
赤岩の頭で踝を痛めた理由ははっきりしています。さかいやスポーツ・シューズ館の店長さんによると、僕の場合、(特に右足の)かかと周りが他の部分に比べて小さく、靴の中で足の後ろの方が遊んで踝がこすれてしまうんだとか。インソールとかも少し細工してもらいましたが、「最後の手段はソックスの前半分を切ってかかとの部分だけ二重に履くことだよ」と言われ、その通りにしたら痛まなくなりました。ところが…。前回は赤岳鉱泉でテントを張った後、ソックスが汗で濡れていたため、「赤岳の岩まで往復するくらいなら大丈夫だろ!」と思ってソックスを重ね履きしませんでした。油断大敵ですね。登りの途中から早くも踝が擦れ始め、下山の時ははっきり痛むようになりました。翌日、赤岳鉱泉から駐車場までは腫れた踝がこすれるたびに痛みを感じ、時々声をあげながら歩くという情けないことに。右足の踝と靴の間に薄手の靴下を挟んだりしてみましたが、焼け石に水でした。
蓼科山では、まだ少し踝がこすれて痛んだものの、大過なく下山でき、その後の腫れもほとんどありませんでした。僕にとって半切りソックスの二重履きは必要不可欠、ってことが身に染みてわかりました(笑)
この日、移動性低気圧に覆われておだやかな晴天でした。(山頂は-8℃で風もそこそこあり、山頂にいた1時間は手袋の中にホカロンを入れてましたが…。) でも、ご覧のとおり、春霞っぽい天気と逆光で南八ヶ岳はかすんでいました。北アルプス方面も雲がかかっていたため、写真はあまり撮っていません。今回紹介するのもパノラマ2枚のみです。下の写真は蓼科山の広~い山頂。
現像に手間取ってしまいましたが、2月2日に赤岳鉱泉に泊まった夜、赤岩の頭の下まで行って撮った星景写真を載せます。雲が何度も出ましたが、この前後は少し星空が広がってくれました。行く前は赤岳天望荘の灯りがもっと目立つかと思っていましたが、そうでもありませんでした。甲府方面の光害で天望荘の灯りが目立たないという面もあるのでしょうね。 星も山も、美しい夜でした。
ついでに、もう少し早い時間に15mmで撮った写真も載せておきます。これは前回、Photoshopによる滲み処理の作例で載せたものと同じファイルで滲ませ加減を弱くしたものです。この時は15mm用の前面ソフト・フィルターを使わなかったため、フィルター有り無しの作品はありません。今になってとても後悔しています。
間が空きましたが、前回に続いてソフト・フィルターについて述べてみます。今回は、14-15㎜の超広角レンズを使った星景写真で星を滲ませる方法についてです。
やり方は大別して三つ。①レンズ前面にソフト(ディフュージョン)フィルターを着ける、②レンズの後玉とカメラの間にソフト・フィルターを着ける、③フィルターなしで撮ってソフトウェアで星をぼかす、です。
これは前回書いたのと同じやり方です。ただし、問題が2つあります。
1つは、この焦点距離になると最前部のガラスが大きく凸状に丸くなり、フィルターを付けられないレンズがほとんどなこと。ニコンの14-24㎜、シグマの14㎜ F1.8など、名だたる星景用神レンズも例外ではありません。レンズ前面にフィルターを着けたければ、ZeissやLaowaの15㎜くらいしか選択肢がないのが現状です。(今後ニコンやキャノンが発売するミラーレス用ズームには、14-15㎜スタートで前面にフィルターを着けられるものがあるようです。注目したいですね。)
2つめの問題は、レンズ前面にソフト・フィルターを着けると、画面の中心から離れたところで明るい星の滲みが外側に向かって箒状になることです。西岳の写真をご覧ください。左上の輝星(ぎょしゃ座のカペラ)の形、ちょっとなあ…と思います。
レンズの前にソフト・フィルターを着けられないなら、後ろに着けてしまえばいい、という発想です。この場合、フィルターはガラス製ではなく、樹脂製のペラペラのもの(Leeが有名です)を切って両面テープなどで貼り付けます。
この方法のいいところは、レンズを選ばないことのほか、前面にソフト・フィルターを着けたときに周辺部で見られる箒状の光茫ができないことです。浅間山とのコラボ星景をご覧ください。周辺部の星の光茫も綺麗に滲んでいますね。星の滲み方を最重視するなら、この方法は一押しです。
でも残念ながら、この方法にも欠点がないわけではありません。ソフト・フィルターを使えば当然、前景もボケます。雪山のきびしさが先鋭に写らなかったり、街の明かりの光芒が必要以上に広がって興ざめになったりすることも…。次の2枚は同じ露出時間で撮ったものですが、ソフト・フィルターを着けて撮った2枚目はスキー場の灯りがすごいことになっています。(作例は35mmでフィルターをレンズ前面に着けて撮ったものですが、フィルターを超広角レンズの後部に着けても同じようなことになります。)
前回も述べたとおり、私は「星像を滲み、前景はクッキリ」という星景写真をめざしているため、ソフト・フィルターを着脱しながら撮影したいと思っています。ところが、レンズ後部にソフト・フィルターを着けるやり方では、この手法はとれません。(来週、キャノンからミラーレス・フルサイズ用にドロップイン・フィルターを使えるマウントアダプターが出るようです。作例が出るまで確たることは言えませんが、クリア・フィルターにLeeの樹脂製フィルターを貼り付けてやれば、レンズ後部でのソフト・フィルター着脱ができるんじゃないかと期待しています。ただし、相当な出費を覚悟しなければいけませんし、ミラーレス用の新型レンズは使えない前提となります。)
デジタルの時代、ソフト・フィルターがなくても星像を(星像だけを)滲ませることが可能になりました。私も、こちらやこちらのサイトを参考にしてPhotoshopによる星像ボカシにトライしてみました。
現段階の私の結論は、うまくいく場合と行かない場合がある、というものです。パラメーターをいじったりしてみましたが、何か不自然な感じが否めません。星の彩度もそのままでは落ちてしまいます。私のレタッチ能力が低いせいもあると思いますが・・・(苦笑)
下の写真はこのやり方で星のみを滲ませた写真です。もっと弱く滲ませれば自然になる一方で星は目立たなくなり、塩梅がむずかしいです。将来の進化に期待しつつ、当面は別な方法が中心になりそうかな。
というわけで、私自身は「これが決定版」という方法にたどり着いていません。そのことをお断りしたうえで、私の現在の撮り方をご紹介して、この長いポストを終わりにします。
レンズはDistagon 15mmで前面にフィルターを着けられます。フィルターはプロテクターにラッカーを吹き付けた自作です。このセットでフィルター有りとフィルター無しで撮影し、前景はフィルター無し、星野はフィルター有りをメインにPhotoshopでマスク合成。周辺部の輝星が箒状上になっている部分については、ブラシツールであまり目立たないように仕上げます。下の1枚目はソフト・フィルターを前面に着けて撮った写真(現像上の細工はしていますが詳細は省略します)。2枚目はフィルター有り無しで撮ってマスク合成した写真。わかりにくいかもしれませんが、カペラやポルックス、カストルを見れば、完全ではないものの同心円状の滲みに近づいています。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
赤岳鉱泉にテント泊し、夕方から赤岩の頭に向けて登ったときに撮った星景写真です。稜線上は風の音がしていたので、赤岩の頭のすぐ下のルート上に赤岳方面の視界が開けたこの地点から撮影しました。この日は日中快晴でしたが、日没とともに雲が湧いてくる天気でした。1時間ほどかけてわずか3カットだけ撮りましたが、雲が増えて星の位置も変わってきたのでこれを最後に下山しました。大犬(シリウス)は八ヶ岳にとても似合うと思いました。
私は星景撮影でSEQUATORというソフトをよく使います。星像を固定しながら複数枚のファイルを重ね(スタックし)、高感度撮影に特有なノイズを減らす一方、地上風景もぶらさないという便利なソフトです。部分的に星像がうまく重ならないで線になってしまうことも時にありますが、フリーソフトなので文句を言ったら罰が当たりますね(笑)。 このカットでは、さすがに手前の木はうまく合成できないだろうと思いましたが、拡大しても問題ありませんでした。
さて、この便利ソフトですが、雲が多い時は少し悩みます。SEQUATORによって星と地上部は固定されても、雲だけは(上の写真では60秒分)流れて写るからです。不自然と思い始めれば、気になります。日周運動を長秒で撮っても雲はやはり流れて写りますが、星も線になるので不自然に感じません。
ちなみに、上の写真の星野部分を一枚撮りに差し替えたのが次の写真です。雲の形が10秒分だけ写っているため、目で見た感じに近いのはこちらの方。ISO3200くらいなら、ノイズ除去ソフトを使えばそんなにざらざらしていません。(もちろん、拡大して見ればSEQUATORを使った方がきれいですが。) どっちがいいのか、試行錯誤やケース・バイ・ケースで決めることになると思います。
先週末、赤岳鉱泉でテント泊してきました。この日はアイスキャンディー・フェスティバルでにぎわっていました。夕方から星景撮影に出かけ、夜戻ってきてみたら、静寂の中、アイスキャンディーの向こう、阿弥陀岳の上に冬の大三角が・・・。思わず、カメラを取り出して撮影したカットです。人工物の入った星景写真は好みではありませんが、これは自然の厳しさの中で鉱泉の灯りに照らされる氷の柱が妙に暖かく感じられ、わりと気に入っています。
今回は踝を痛める不覚をとってしまい、翌日は靴と擦れてひりひりする足を騙しながら何とか八ヶ岳山荘の駐車場まで下山しました。写真撮影のために山を始めて4年たちますが、体力の衰えを止めるのがやっとで、なかなか山歩きの力がつきません。でも、自然の中に入ってこういう写真が撮れたりすると、苦労してもいいからまた行こう、と思ってしまいますね。