月照らす紅葉の山~谷川岳に沈む「夏の大三角」

10月31日20時38分頃。EOS-R (IR改造) Sigma 14-24mm F2.8 (14mm F3.5) 露出8秒 ISO800 ソフト・フィルター有り3枚と無し4枚をSequator、Photoshopで合成。

先週の土曜日、満月の夜に谷川岳はマチガ沢から撮った星景写真です。当日は満月、麓は紅葉が綺麗でした。

やっぱり満月の扱いはむずかしいですね。月光に紅葉が照らされるのはいいんですが、写る星が少ないため、知らない人が見たら昼間の写真に見えちゃうみたいで・・・。この写真は明るい星だけソフト・フィルターを効かせて、何とか山肌の紅葉と星野の両立を図ったものです。

この夜の満月は今年最遠(最小)だったそうです。巷ではハロウィーンも重なったようですが、私にはあまり関係ありませんでした。

現場に到着した頃から雲が広がり、下の写真のような空模様でした。その後、幸運にも雲が一時的に切れてくれたタイミングで撮ったのが最初の写真でした。

10月31日20時24分 EOS-R (IR改造) Sigma 14-24mm 24mm F2.8 (F3.5) 露出8秒 ISO800。 フィルターなしの1枚撮り。トリミングあり。

最後に、同日の昼間にお隣の白毛門山頂付近から谷川岳方面を撮った写真を載せます。

3本ある渓谷のうち、一番左側がマチガ沢ですね。前日の雪と紅葉のコラボを楽しませてもらいました。

夜明けの三惑星

2020年3月26日 4時31分頃 カメラ:EOS R(HKIR改造) レンズ:Sigma 14-24mm F2.8 (24mm、F2.8) 露出8秒 ISO 3200  ※ 「フィルターなし4枚」を加算平均した前景と「フィルターなし1枚」の星野部を合成。Photoshop、Lightroom、Flat Aide Proを使用。

東谷山から撮影した星景写真の続きです。
夜明け前、平標山の上に木星、土星、火星が昇ってきました。

関東方面の雲が取れず、近くにも雲が絶えず流れてきたため、銀河の写りはあまりよくありません。雲の形を生かしたかったので、SEQUATORも使わず、星野部はDfine2(ノイズ削減ソフト)による1枚撮りです。これはこれで雰囲気が出たかな、と。

2020年3月26日 3時41分頃 カメラ:EOS R(HKIR改造) レンズ:Sigma 14-24mm F2.8 (16mm、F3.5) 露出13秒 ISO 3200  ※「フィルターなし4枚」と「ソフト・フィルター(Lee 3)あり1枚+フィルターなし3枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、Photoshop、Lightroomで合成処理。

上の写真を撮る前、仮眠からゴソゴソ起きてきてみたら、東の空には夏の大三角が昇っていました。
左側の足跡の先にあるのはマイ・テントです。

 

昇る夏の銀河~西伊豆にて

2020年2月24日 4時36分頃 カメラ:EOS R(HKIR改造) レンズ:Sigma 15mm F2.8 魚眼 (F3.2) 露出20秒 ISO 3200  8構図をImage Composite Editor でパノラマ合成。各構図は「フィルターなし2枚」と「ソフト・フィルター(Lee 3)あり1枚+フィルターなし1枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、Photoshop、Lightroom、Flat Aide Proで処理。

明け方、夏の天の川が伊豆の山並みの向こうに昇ってきました。そこで、さそり座から夏の大三角までを魚眼パノラマで撮ってみました。パノラマを使って魚眼の歪みを抑える手法は湯淺光則さんの記事を参考にしましたが、まだ発展途上なのでこれから改善していきたいと思っています。

アルタイルの下のあたりの遠くの山並みは天城連山です。

伊豆に昇る蠍と火星

2020年2月24日 4時01分頃 カメラ:EOS R(HKIR改造) レンズ:Sigma 14-24mm F2.8 (24mm、F2.8) 露出8秒 ISO 8000  「フィルターなし8枚」と「ソフト・フィルター(Lee 3)あり1枚+フィルターなし7枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、Photoshop、Lightroom、Flat Aide Proで処理。

上の写真の前に撮った、さそり座と火星です。火星はまだ接近してないんでしょうね。アンタレス(火星に対抗する者)に負けてます(笑)

この日は富士山も霞みがちで、大気光も強かったようです。それでも、Sigma 14-24mm が「使える」ことがわかったのは収穫でした。

 

 

東京湾に沈む夏の大三角(房総・伊予ヶ岳)

金曜日の夜、千葉方面は夕方から久しぶりに晴天が広がりました。日曜日には台風15号が直撃しそうだし、ワンチャンスにかけてみることに。

ラグビーWC前哨戦の日本対南アフリカをテレビで見た(南ア、本気でしたね…)後、南房総の伊予ヶ岳へ向かいます。伊予ヶ岳は標高336メートルの低山。調べてみたら、2013年1月に星を撮りにきたことがあります。(その時は、曇が多くて写真になってませんでした。)途中で1時間ほど仮眠し、1時から登り始めて南峰到着まで約40分です。山頂直下だけ、ロープ付きの急登がありますが、夜間でも特に危険はありませんでした。ただ、気温25度で湿度が高いこの時期、低山登りは暑いです。汗かきの私はシャツが絞れるくらい汗をかきました。

天文薄明まで2時間ほど星景写真を撮ったので、何回かに分けて紹介します。

2019年9月7日 2時13分頃   カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8(絞りF3.2)露出13秒 ※ISO 3200 星野用に「フィルター(Lee3)有り5枚」と「フィルター有り1枚+フィルター無し4枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、その後、前景用に「フィルター無し5枚」を加算平均したものと共にPhotoshop & Lightroomで処理。

到着した時、「夏の名残り」とも言える夏の大三角が東京湾に沈んでいくところでした。東京湾と星空の組み合わせは、私にはとても新鮮でした。左下の房総半島側の双耳峰は「南総里見八犬伝」の舞台となった富山(とみさん)です。

現像して拡大してみたら、画面中央の下寄り(アルタイルの右下)に富士山が写っていました。夜間登山の明かりも見えますね。

 

 

雲間の夏の大三角~鉄山避難小屋を昇る

2019年6月1日22時25分頃    カメラ:NIKON D810A レンズ:Nikkor AF-S 20mm F1.8G(F2.8) 露出10秒 ISO3200

前回と同じく、鉄山避難小屋に泊まったときの星景です。雲間の撮影で星景写真としては今一つですが、アップします。3枚を加算平均した前景と1枚撮りの星野をPhotoshopで合成しています。

さて、このブログでは俗世のことは書かないつもりなんですが、今日は例外。イーロン・マスク氏のスターリンク(Starlink)構想について少し書かせてください。

スターリンクとは、衛星を2020年代半ばまでに1万2千基(!)打ち上げ、インターネット等の利便性を高める計画です。先月、最初の衛星60基が打ち上げられたので、構想と言うより、もう現実になりつつあると言ってよいでしょう。

最初は、ふ~ん、と思ってただけでした。でも、衛星の数が半端ではなく、軌道も低いため、衛星が太陽光を反射して星座の形すらわからなくなりかねない、と知って大ショック。ドヨーンとした重い気持ちが続いています。

このStarlink構想、世の中では、「便利になるからいいことだ」という受け止めの方が多いと思います。僕にしても、山へ登って携帯がどこでもつながれば、遭難のリスクも減るに違いありません。メリットは確かにあります。でも、人類が太古から星を見て感じていた神秘に触れることがこれからできなくなる、というのはどうなんでしょう? 何か、人類はおそろしい領域に足を踏み入れているんかないか、という気すらしてきます。

イーロン・マスクを止める手立てはないし、万一、彼がやめてもほかの人がやるでしょう。でも、僕はStarlink計画には反対です。便利さのために星の美しさに触れる機会を奪われたくありません。単なる趣味人のわがままじゃないか、と言う声もあるでしょうが、僕ら星に興味を持つ者だけでなく、人類全体がStarlinkによって大切なものを失ってしまう、と思います。

衛星が光をまったく反射しなくなる技術が開発され、イーロン・マスクがその分野に予算をかけようと思わない限り、星景写真を撮る機会は近い将来、大幅に減ってしまうことでしょう。そんな日が来ることを畏れつつ、このブログを続けていきます。(なお、この件については、今後何か特別の進展がない限り、もう書きません。次回からはまた、純粋に星景写真と山の写真を載せていきたいと思います。)

印象・月の出と夏の大三角

2019年4月29日 2時30分頃
カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8 (絞りF3.2) 露出15秒 ISO 6400 星野用に「フィルター(Lee3)有り8枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し9枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、その後、Photoshop & Lightroomで処理。

またまた、GWに越後駒ヶ岳で撮った写真から。

東の空に夏の大三角と天の川をねらって撮っていたら、どうも山の向こうが赤く明るい。「こんなところでも随分光害があるんだな・・・」と思っていたら、お月さんでした。

題名はモネの「印象・日の出」をもじって。月の出にもかかわらず、天の川、暗黒星雲、北アメリカ星雲などがしっかり写ってくれて嬉しい誤算でした。

 

射手から白鳥~磐梯山銅沼より

2019年4月13日 2時14分頃
カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8
絞りF4 露出15秒 ISO 6400
星野用に「フィルター(Lee3)有り5枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し6枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、その後、Photoshop & Lightroomで処理。

先週末に磐梯山銅沼で撮った写真の続きです。射手座から夏の大三角までの横たわる銀河をまとめてみました。右端の明るい星は木星です。

下の写真は同じような構図を魚眼でとらえたものです。ピントが少し甘かったようで反省しています。

2019年4月13日1時52分頃      カメラ:NIKON D810A レンズ:Sigma 魚眼 15mm F2.8 絞りF3.5 露出20秒 ISO5000 9枚(フィルターなし)をSEQUATORで合成した後、Photoshop & Lightroomで現像処理。