越後駒ヶ岳とアークトゥルス、スピカ

2019年4月29日 2時17分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8 絞りF3.2 露出15秒 ISO 6400 星野用に「フィルター(Lee3)有り8枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し9枚」をそれぞれSEQUATORでスタックし、その後、Photoshop & Lightroomで処理。

今月は星景撮影には行けなさそうな感じです。ブログの更新も諸事情で遅れています。そういうわけで、今日あげるのはまたまた4月29日に越後駒ヶ岳で撮った写真です。

真ん中やや右の橙色の星がアークトゥルス(牛飼い座の1等星)、越後駒の上に輝く青白い星がスピカ(おとめ座の1等星)になります。星座としては、牛飼い座とおとめ座のほか、かんむり座、てんびん座、かみのけ座などが写っています。越後駒が少し赤いのは、月の出が間近だったせいでしょうか?

春の星座はやっぱり地味ですね。1等星(アークトゥルス、スピカのほかに獅子座のレグルスがあります)が少ないせいだと思っていましたが、考えてみれば、秋の星座(=フォーマルハウトのみ)よりは多いんです。春は2等星が少ないのか、はたまた、秋のようにギリシャ神話的なストーリーに乏しいせいか、とか考えてみましたが、よくわかりません。それはさておき、春の星座は地味でも味わい深い、と思えるようになったこの頃です。

今日は日帰りで尾瀬の燧ケ岳へ行ってきました。カメラを車の中に置き忘れたため、俎嵓(まないたくら)からスマホで撮った柴安嵓の写真をご紹介します。左手に至仏山と尾瀬ヶ原が見えています。カメラを忘れて(小型)三脚だけザックに付けて歩いた愚か者ですが、雪の柴安嵓に登れたのはちょっとうれしかったです。

越後駒 さそり座2態

<荒沢岳と夏の銀河>

2019年4月29日 1時20分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:AF-S 35mm F1.8(F2.5) 露出6秒 ISO6400 「フィルター(Lee3前面)有り7枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し9枚」をそれぞれSEQUATORでスタックした後、Photoshop&Lightroomで現像処理。

前回に引き続き、越後駒ヶ岳の手前から撮った星景です。今回はさそり座を35㎜で撮った2つの写真を紹介します。

1枚目は、月が出る前に荒沢岳(左下)を借景したさそり座~射手座~たて座の銀河です。真ん中の大きな輝星は木星、左下の輝星は土星になります。当日はこの時間まで雲があり、左上に写っている黒い雲が流れて行ったあと、しばらく快晴になりました。

それにしても、暗い空だとこんなに銀河写るんですね。昔はフィルムカメラ(ASA400)を望遠鏡に載せ、手動ガイド15分でもここまで写ったかどうか? それが今は、固定撮影の6秒露出(ISO6400)を重ね、ソフトウェアを使うと地上風景も止まって写るなんて! 「もうすぐ人口流星群が実用化される」なんていうニュースを見ると顔をしかめてしまいますが、私も技術の進歩の恩恵を受けていることは間違いない事実です・・・。

<月照らす中岳、兎岳と木星、蠍>

2019年4月29日 3時8分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:AF-S 35mm F1.8(F2.8) 露出6秒 ISO6400 星野用に「フィルター(Lee3前面)有り8枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し9枚」をそれぞれSEQUATORでスタックした後、Photoshop&Lightroomで現像処理

2枚目は月が出て、薄明が始まる直前のさそり座を撮った写真です。右の山は中岳、左は兎岳(多分?)。

月光が雪面に映す自分の影を見ながらシャッター音を聞き、蠍を見上げては宇宙の神秘を思いました。

磐梯山火口壁を登る蠍と銀河(銅沼から)

2019年4月13日 1時11分頃  カメラ:NIKON D810A レンズ:AF-S 35mm F1.8G 絞りF2.5 露出5秒 ISO5000  *星野用に「フィルター(Lee3)有り10枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し11枚」をそれぞれSEQUATORでスタックしたもの、前景用にフィルター無し11枚をPhotoshopで加算平均したものをPhotoshop&Lightroomで現像処理。

先週金曜日、半休をとって夕方自宅を出発、磐梯山へ向かいました。夜10時頃から裏磐梯スキー場のゲレンデを1時間強ほど登り、銅沼(あかぬま)から星景写真を撮ることができました。

磐梯山火口壁は大迫力。さそり座、木星、夏の銀河が昇ってきたのが櫛ヶ峰(左側の山)と天狗岩(右側の尖がり)の間で、現像してみたら「登って」いくように見えたのでこのタイトルにしてみました。前日(?)降雪したおかげで、今季のこの時期にしては山にも雪が着いてくれていました。なお、火口壁がそそり立っているため、南中しても蠍の尻尾までは見えません。

僕の最近の星撮りは空の状態が今一つだったのですが、この夜は雲一つなく綺麗に晴れてくれました。土曜の夜は雲が出そうだと思って金曜日に会社を早退したのが吉と出た格好です。何カットか撮れたので、追々ご紹介したいと思っています。

下の写真は翌朝(正確には当日の朝)、銅沼から見た櫛ヶ峰と火口壁です。

4月13日6時48分頃。X-E3/XC16-50㎜で撮影した3枚からLightroomでパノラマ合成。

磐梯山の山頂(剣ヶ峰)は画面右端の外側の奥の方になります。銅沼からは火口壁に遮られて見えません。次の写真の通り、下のスキー場からだと、火口壁(木の上)の向こうに巨大で真っ白な剣ヶ峰が顔を覗かせていました。

X-E3/XC16‐50㎜(50㎜) 大幅トリミングしたので解像度が低下しています。

最後に、火口壁に上がって望む剣ヶ峰はこのように見えます。右側の黒っぽい尖がりが天狗岩、左のどっしりした頂が磐梯山山頂になります。星もよかったけど、山もよかったです。

13時24分 X-E3/XC16-50㎜(16㎜ F10)

会津駒雪景色と冬の星座

2019年3月9日 20時02分頃   カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8 絞りF3.2 露出15秒 ISO 4000     フィルター無し7枚をSEQUATORで合成し、その後、Photoshop、Lightroomで処理。

今月は週末の天気や月齢の関係に加え、お彼岸で帰省もしたので星見と山は前半の2回だけでした。そこでまた、9日夜の会津駒から撮った星景です。

この夜は雲が出て星景のコンディションが良くありませんでしたが、尾瀬方面の雪景色と星のコラボは素晴らしかったです。

次の写真は定番の冬の大三角。同じような写真が多くてすみません。

2019年3月9日21時07分頃    カメラ:NIKON D810A レンズ:Nikkor AF-S 20mm F1.8G 絞りF2.8 露出10秒 ISO4000    フィルター無し7枚をSEQUATORで合成し、その後、Photoshop&Lightroomで合成及び現像処理。

 

茶臼岳、朝日岳と冬の大三角

2019年3月2日 21時18分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:Nikkor AF-S 20mm F1.8G 絞りF2.8 露出10秒 ISO 4000 「フィルター有り6枚+フィルター無し1枚」と「フィルター無し7枚」をそれぞれSEQUATORで合成し、その後、Photoshop&Lightroomで合成及び現像処理。

今回も3月2日に赤面山で撮影した星景写真を紹介します。

那須岳(茶臼岳)、朝日岳を前景にした冬の大三角です。左下方向は那須の街灯りで明るいですが、ほぼ思っていたイメージで撮ることができました。個人的にはかなり満足感の高い1枚となりました。

※ 過去に記した撮影データについて補足説明することがあります。私はソフトフィルター有りと無しとで複数枚撮影し、それぞれをSEQUATORでスタックしてからPHOTOSHOPで合成することが多いです。そのプロセスを例えば、「フィルター有り・無しで7枚を撮影してそれぞれSEQUATORで処理し・・・」と記載していました。でも、最近気づいたのですが、これは正確ではありません。実際には〈フィルター有り6枚とフィルター無し1枚〉と〈フィルター無し7枚〉の2セットをそれぞれSEQUATORで処理しています。(その際、PHOTOSHOPで合成する際の位置合わせのため、共通するフィルター無しの1枚を基準画像にします。) 申し訳ありませんが、過去の撮影データについては、この説明を以って読み替えて頂きますようお願いします。

那須の山と冬の星座3作

【春よ、来い~冬のダイヤモンドが那須のお山に傾く】

2019年3月2日 22時19分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8 絞りF3.2 露出15秒 ISO 4000  ソフトフィルター(LEE3)有りと無しをそれぞれ7枚、SEQUATORで合成。その後、Photoshop、Lightroomで処理。

今週末も出かけていたので、3月2日に赤面山から撮った星景の現像が進んでいませんでした。那須連峰の主脈(那須岳、朝日岳、三本槍岳)と冬の星座を絡めた3ショットをお届けします。

1枚目は赤面山の山頂から撮った那須連峰主脈と冬のダイヤモンドです。題名ですが、この写真を撮っているとき、夜なのに鳥のさえずりが風に乗って聞こえてきました。雪景色ですが、もう春が近いんだなあ、と思いながら撮ったショットです。

【那須のお山を駆ける冬の星座たち】

2019年3月2日 22時01分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:Zeiss Distagon 15mm F2.8 絞りF3.2 露出15秒 ISO 4000 ソフトフィルター(LEE3)有りと無しをそれぞれ7枚、SEQUATORで合成。その後、Photoshop、Lightroomで処理。

那須の山を画面にもっと入れたくて、赤面山の山頂から前岳側に少し下ったところから撮りました。山頂以上に強風(10メートル超?)で、PCで見るまでは「ぶれているんじゃないか」と心配しながらの撮影でした。

【カシオペアから大犬まで~赤面山にて】

2019年3月2日 20時44分頃 カメラ:NIKON D810A レンズ:Sigma 魚眼 15mm F2.8 絞りF3.5 露出20秒 ISO 3200 フィルター無し6枚をSEQUATORで合成し、その後、Photoshop、Lightroomで現像処理。

赤面山の山頂越しに魚眼で撮ったショットです。ここなら風は弱かったので、最初はここから撮りました。山頂は風の通り道なんでしょうね。この写真はソフトフィルター無しで撮り、Photoshopで輝星に滲みを加えたものです。魚眼なら不自然さがどうにか許容範囲でしょうか? ソフトフィルターをレンズの後ろに付けた方が星はきれいに写りますが、前景が雪山だとフィルター無しの方が好みです。

赤岳と冬の大三角

2019年2月2日 20時32分頃 カメラ: NIKON D810A レンズ: Nikkor AF 20mm F1.8G(F2.8) ISO 3200  露出10秒 ※ソフト・フィルター有り(Lee 3)5枚、フィルター無し5枚をSequatorでそれぞれ処理し、さらにPhotoshopでマスク合成。 Software: Photoshop & Lightroom

現像に手間取ってしまいましたが、2月2日に赤岳鉱泉に泊まった夜、赤岩の頭の下まで行って撮った星景写真を載せます。雲が何度も出ましたが、この前後は少し星空が広がってくれました。行く前は赤岳天望荘の灯りがもっと目立つかと思っていましたが、そうでもありませんでした。甲府方面の光害で天望荘の灯りが目立たないという面もあるのでしょうね。 星も山も、美しい夜でした。

ついでに、もう少し早い時間に15mmで撮った写真も載せておきます。これは前回、Photoshopによる滲み処理の作例で載せたものと同じファイルで滲ませ加減を弱くしたものです。この時は15mm用の前面ソフト・フィルターを使わなかったため、フィルター有り無しの作品はありません。今になってとても後悔しています。

2019年2月2日 20時03分頃 カメラ: NIKON D810A レンズ: Zeiss Distagon 15mm F2.8(F3.2) ISO 3200 露出13秒 ※フィルター無し7枚をSequatorで処理し、Photoshopで輝星に滲みを付加。 Software: Photoshop & Lightroom

雲の切れ間に~大犬と八ヶ岳 (SEQUATORと雲について)

2019年2月2日 20時48分頃 
NIKON D810A AF-S 20mm F1.8G (F2.8) ISO 3200 露出10秒
星野部分は6枚をSEQUATORで合成し、前景はPHOTOSHOPで加算平均合成。
Software: Adobe Lightroom Classic & Photoshop

赤岳鉱泉にテント泊し、夕方から赤岩の頭に向けて登ったときに撮った星景写真です。稜線上は風の音がしていたので、赤岩の頭のすぐ下のルート上に赤岳方面の視界が開けたこの地点から撮影しました。この日は日中快晴でしたが、日没とともに雲が湧いてくる天気でした。1時間ほどかけてわずか3カットだけ撮りましたが、雲が増えて星の位置も変わってきたのでこれを最後に下山しました。大犬(シリウス)は八ヶ岳にとても似合うと思いました。

私は星景撮影でSEQUATORというソフトをよく使います。星像を固定しながら複数枚のファイルを重ね(スタックし)、高感度撮影に特有なノイズを減らす一方、地上風景もぶらさないという便利なソフトです。部分的に星像がうまく重ならないで線になってしまうことも時にありますが、フリーソフトなので文句を言ったら罰が当たりますね(笑)。 このカットでは、さすがに手前の木はうまく合成できないだろうと思いましたが、拡大しても問題ありませんでした。

さて、この便利ソフトですが、雲が多い時は少し悩みます。SEQUATORによって星と地上部は固定されても、雲だけは(上の写真では60秒分)流れて写るからです。不自然と思い始めれば、気になります。日周運動を長秒で撮っても雲はやはり流れて写りますが、星も線になるので不自然に感じません。

ちなみに、上の写真の星野部分を一枚撮りに差し替えたのが次の写真です。雲の形が10秒分だけ写っているため、目で見た感じに近いのはこちらの方。ISO3200くらいなら、ノイズ除去ソフトを使えばそんなにざらざらしていません。(もちろん、拡大して見ればSEQUATORを使った方がきれいですが。) どっちがいいのか、試行錯誤やケース・バイ・ケースで決めることになると思います。

 

赤岳鉱泉の夜~冬の星座

2019年2月2日22時26分~32分  D810A Distagon 15mm F2.8 星空=F3.2 13秒 ISO3200 5枚をSequator 処理。 前景=同上、F値とISOを変えて撮ったファイルをPhotoshopで合成。

先週末、赤岳鉱泉でテント泊してきました。この日はアイスキャンディー・フェスティバルでにぎわっていました。夕方から星景撮影に出かけ、夜戻ってきてみたら、静寂の中、アイスキャンディーの向こう、阿弥陀岳の上に冬の大三角が・・・。思わず、カメラを取り出して撮影したカットです。人工物の入った星景写真は好みではありませんが、これは自然の厳しさの中で鉱泉の灯りに照らされる氷の柱が妙に暖かく感じられ、わりと気に入っています。

今回は踝を痛める不覚をとってしまい、翌日は靴と擦れてひりひりする足を騙しながら何とか八ヶ岳山荘の駐車場まで下山しました。写真撮影のために山を始めて4年たちますが、体力の衰えを止めるのがやっとで、なかなか山歩きの力がつきません。でも、自然の中に入ってこういう写真が撮れたりすると、苦労してもいいからまた行こう、と思ってしまいますね。

 

2019年迎春~南八ヶ岳主群と北天

2018年12月30日22時23分頃
D810A / Distagon 15mm(F2.8) F 3.2 露出15秒 ISO 4000
自作滲みフィルター付き7枚をフィルター無し7枚をそれぞれSequatorで処理。
現像等にはPhotoshopとLightroomを使用。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

12月30日の夜、三ツ頭でテント泊して星を撮ってきました。当日は冬型が少し緩む(等高線が広がる)という予報。実際、日中は風も弱く穏やか。安心してテントを張りましたが・・・、舐めてました。
日が傾くにつれて風が強まり、テントが飛ばされないか心配になる有り様。気温もテント内で最低-21度。カメラのバッテリーはどんどん駄目になり、三脚も「ぶれてるかな?」と心配しながらの撮影でした。撮れた構図はわずか2カットのみ。
山の体力・技術・知識、星撮りの実践について、反省と学ぶことが多い年の瀬の山行きでした。

写真は八ヶ岳オールスターズと北天の豪華な共演です。
権現から赤岳まで、三ツ頭から望むこの構図は本当に素晴らしいと思います。今年はまだ雪が少ないんでしょうか? 北斗七星、小北斗、カシオペアにおまけで二重星団(カシオペアの上)とアンドロメダ大星雲(画面左上隅)も写っています。
本当はこの後、同じ構図で北天日周運動を撮ろうと思っていたんです。でも、待機時に三脚が風で倒されたため、めげて諦めました(苦笑)。いつになるか、移動性高気圧のときに再トライしたいと思います。

翌朝、三ツ頭から (Fuji XE-3  /  XC-16-50mm)