前回は15㎜で上下方向へ2構図、MicrosoftのImage Composite Editor(ICE)を使ってモザイク合成を試み、まずまずの結果が出ました。上下方向は星が動いても星同士をつなげばいいので難易度は低い、という予想が裏付けられた形です。
では、左右のモザイクはどうでしょうか? こちらは地上風景を入れた構図では撮影時間によって地上風景と星の位置関係が同一構図内で変わるため、難易度は上がるはず。それでも、ネットで見ているとICEがうまく処理してくれるという記事を見たので、「ICEなら何でも魔法のように解決してくれるのかな?」と期待してトライしてみました。
結果を先に言うと、失敗しました。ただし、今回のテストは撮影時からモザイク合成を意図したものではありません。2構図の撮影間隔は15分もあり、地上風景の高さがはっきりずれているという悪条件の下で行っています。次回はもっと撮影間隔を詰め、構図もほぼ水平に移動させてトライしたいと思います。
というわけで今回の記事は失敗の備忘録です。興味のある人だけお読みください。
テストしたのはこの2枚です。もともとモザイク合成を意図していなかったので中途半端なずらしですが、それはテストには関係ありません。ただ、地上風景の高さが合っていないのは致命的だったと想像しています。
この2枚をICEに放り込んでAUTOで処理したのがこちらです。
右下の緑の街灯をベースに合わせたんでしょうが、真ん中やや右で山並みが断層のように途切れ、左端の風景もおかしな画像が加えられています。ただ、星空のつながりは自然に見えます。
私はまったく原理を理解していないのですが、ICEのSimple Panoramaというモードでは、Camera Motionというパラメーターに選択項目があります。前回と上の合成ではAutoにしましたが、これをいくつかいじってみました。すると、Planar motion(平面動作?)とPlanar Motion with Skew(傾き補正付き平面動作?)というパラメーターを選ぶと、地上風景の断層がなくなりました。下記はPlanar Motion with SkewによるICEのアウトプットです。
やった!と思ったのは一瞬のことでした。そうです、これ、一番上の一枚撮りとほとんど変わりません。
とうわけで今日段階では、ICEを使って左右方向にも星景モザイク合成ができる、とはまだ言えません。少なくとも、構図の水平移動は必須でしょうね。当たり前と言えば、当たり前ですが・・・。
三脚をしっかり水平にセットして撮影間隔を5~1分以内に抑えた場合にどうなるか、は今後の宿題です。水平の方はベルボンのレベラーで何とかなればと思っています。私の場合、山で撮影するので重くしたくないこと、パノラマというほど幅広くつなげたいとは思っていないことから、パノラマ雲台にまで手を出すつもりはありません。テストしたらまたアップします。上下方向だけでなく左右方向でも星景モザイク合成が手軽にできれば、山へ持って行くレンズが減ってうれしいんですがね。