先週末、行者小屋でテントを張り、ナイトハイクして星景写真を撮ってきました。
赤岳主峰の頂上を冬の星座(おうし座、ぎょしゃ座、オリオン座、ふたご座)が昇っていきます。雪の白と岩の黒がまじりあい、山の峻険さを際立たせました。そして星は、凛として美しい。
D810Aのおかげで、カリフォルニア星雲、エンゼルフィッシュ星雲、M42、バーナードループ、バラ星雲、などの赤色ガス雲が思った以上にしっかり写っています。久々に満足のいく一枚となりました。
ゴツゴツしながらどっしりした山容、人を寄せ付けない厳しさを感じさせる尖り。日曜の下山時、赤岳に合う言葉は「荘厳」だな、と思いました。
その荘厳という言葉から思い出したのが、次の一首です。
さまざまにうつりかわりし八十年宇宙荘厳の中に消えゆく
亡き父の事実上の辞世の句。先月25日が父の命日だったので、思い浮かんだのでしょうか。
小学五年生の時、当時(田舎では特に)珍しかった望遠鏡を父に買っもらい、私はいわゆる「天キチ」少年になりました。今、星景写真を撮っているのも、父のおかげと言えます。
その私も来年は還暦を迎えます。父の感じた宇宙荘厳はまだ実感できませんが、人生を振り返りそうになる自分に「まだ早い」「もう一山越えろ」と声をかけることが正直、最近は増えました。